研磨技術
研磨技術
高出力レーザ用コーティングを開発する中で、ARコートやポラライザなどの透過素子のレーザ耐性は基板の研磨面の品質に強く依存するため、コーティングの開発と平行して、研磨面粗さを抑制し、残存する研磨剤を除去する研磨プロセスを開発して参りました。研磨面粗さが0.1nm rms以下のスーパーポリッシュの技術は、低損失ミラー基板の要素技術となっています。
また、2004年には磁気粘弾性研磨機やスティッチング干渉計など最先端の加工設備をいち早く導入し、λ/40~λ/20の高精度球面レンズの開発に注力して参りました。現在では、高精度な非球面レンズや非球面ミラーの開発を進めており、より自由度の高い非球面研磨の実現に向けて開発を推進しております。
研磨
磁気粘弾性流体研磨 MRF(Magnetorheological Finishing)
複数台のMRF研磨機を所有し、お客様の仕様に合った表面精度研磨を行います(面精度λ/50程度まで可。外形Φ200mmまで可)。
MRF研磨とは研磨材が含まれる磁気粘弾性流体を回転ホイールに定量流すことにより、安定した研磨量を得ることができ高精度な研磨を行うことができる画期的な光学研磨です。
自動的に作成されたNCプログラムによって、高精度な精密加工を達成することができます。
※MRF装置外観と加工の様子
- 研磨材料例
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- 合成石英をはじめとする各種ガラス材、フッ化カルシウム結晶等。
- 電磁石による磁場が発生する為、加工できない物もございます。
測定・評価
SSI (Subaperture Stitching Interferometer)
従来技術では大口径や高NAレンズの測定物の全面にわたっての面精度の測定が困難でしたが、 QED Technologies社の開発したデーターを繋ぎ合わせるスティッチング技術を使ったサブアパチャー・スティッチング干渉測定機(SSI)を用いることで、測定物の全面において数十分のλ以下の高精度の測定が可能となりました。
京セラSOCではこの技術にいち早く着目し、測定装置を導入することで光学研磨製品の全面における面精度を数十分のλ以下の高精度で保証しています。
NewView
京セラSOCではZygo社の最先端の白色光干渉技術を駆使した非接触の顕微鏡タイプ表面粗さ測定機(New View)を所有し研磨製品の表面粗さを測定しています。
特にDUV領域における研磨製品の表面粗さは光学系の性能を大きく左右し、レーザ耐力、透過率、光学系コントラストの低下などに大きく関係するため京セラSOCでは厳しく管理している品質のひとつです。